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2013 年度 実績報告書

四隅突出型墳丘墓の発達に関する考古学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520922
研究機関広島大学

研究代表者

野島 永  広島大学, 文学研究科, 准教授 (80379908)

研究分担者 古瀬 清秀  広島大学, 文学研究科, 教授 (70136018)
キーワード考古学 / 弥生時代 / 四隅突出型墳丘墓 / 佐田谷・佐田峠墳墓群
研究概要

弥生時代後半期、中国地方山間部など山陰地方の周辺域における四隅突出型墳丘墓の発生と発達について考察した。弥生時代中期後葉から後期前葉にかけて、山陰地方周縁地域となる広島県北部や京都府北部では方形貼石墓や四隅突出型墳丘墓などといった定型的な墳丘墓をいちはやく造営しはじめた。
本研究の目的は、これまで等閑視されがちであった方形貼石墓や初期四隅突出型墳丘墓の墓壙(墓穴)の掘削・埋葬時期を再検証して墳丘構築方法の変化を確認し、葬送儀礼の複雑化の過程を推測していくことにある。広島大学考古学研究室が庄原市教育委員会と共同して行なった佐田谷・佐田峠墳墓群の発掘調査では、弥生時代中期末葉の佐田峠3号墓の墳丘最下部で墓壙を確認した。土層断面から、墓壙を埋め戻した後に墳丘を構築したことが判明し、墓壙掘削・埋葬後に墳丘構築がなされたことが確認できた。一方で、後期初頭の佐田谷1号墓では墳丘構築後、墳頂部から直接墓壙が掘削されていたことから、墳丘構築後に墓壙が掘削されて埋葬が行われたことが判明しており、同一墓域内での墳丘構築方法に変化が起こっていたことがわかってきた。このため、これまで発掘調査されてきた方形貼石墓や初期四隅突出型墳丘墓の墳丘土層断面図原図を再検討していったが、弥生時代中期から後期前葉までは墓壙掘削・埋葬後に墳丘を構築する墳丘墓がかなり存在していたことを確認することができた。
広島県北部の初期四隅突出型墳丘墓は山陰地方との関係を強く持つ三次地域から、吉備地域からの供献土器をもつ庄原地域へとその中心を移し、墳丘構築後の埋葬が普遍化しつつ墳丘自体が大型化していったことが推察でき、葬送儀礼の複雑化に吉備地域からの影響が想定されると考えるにいたった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 佐田谷・佐田峠墳墓群の発掘調査をめぐって2014

    • 著者名/発表者名
      野島 永・稲垣寿彦
    • 雑誌名

      広島県文化財ニュース

      巻: 219号 ページ: 4-11

  • [雑誌論文] 佐田谷・佐田峠墳墓群(第6次調査)2013

    • 著者名/発表者名
      野島 永・辻村哲農・藤井雅大・村田 晋
    • 雑誌名

      広島大学大学院文学研究科 広島大学考古学研究室紀要

      巻: 第5号 ページ: 27-48

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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