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2011 年度 実施状況報告書

3Dレプリカを用いた弥生時代武器形青銅器のライフサイクルの復元実験研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520924
研究機関愛媛大学

研究代表者

吉田 広  愛媛大学, ミュージアム, 准教授 (30263057)

研究分担者 塚本 敏夫  (財)元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (30241269)
研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード武器形青銅器 / 研磨実験 / 3Dレプリカ
研究概要

本年度は、実験研究の素材となる3Dレプリカの作成を行った。まず、3Dレプリカ作成対象資料である福岡市吉武高木遺跡3号木棺墓出土銅剣・銅戈・銅矛について、共同研究者とともに武器形青銅器現品および精密型取によるレプリカの調査を行い、武器形青銅器各現品の研磨の特徴を把握するとともに、精密型取によるレプリカが現品を忠実に再現していることを確認した。そして、精密型取によるレプリカを対象に、共同研究者において3D計測を実施し、3Dレプリカ作成のデータを取得した。3Dレプリカを作成するにあたっては、共同研究者と検討を行い、研究用に後加工が可能な強度・靱性を有する素材として、製作後の樹脂強化、鋳型製作さらには彩色可能も可能な粉体と、樹脂の2種類を選択することとした。さらに、実際の造形においては、一体成型であること、造形ピッチを0.1mm以下とすることを条件に、3Dレプリカ作成を発注した。結果、用意した予算内において、銅剣1について粉体造形24点・樹脂造形10点、銅剣2は粉体造形16点・樹脂造形4点、銅戈は粉体造形24点・樹脂造形10点、そして銅矛は粉体造形16点・樹脂造形4点をそれぞれ製作することができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初計画では、3Dレプリカ個数は4点の武器形青銅器について、それぞれ10点程度を想定していたが、3Dレプリカ作成機器の製作技術向上と普及から、予想以上に安価な製作が可能となり、結果、計画以上の本数の3Dレプリカを、しかも粉体と樹脂という2種類の素材で作成することができた。このため次年度以降の研磨実験について、多様な実験方法や対照実験が可能となり、大きな成果を得られるものと予測している。

今後の研究の推進方策

まず、製作した各武器形青銅器の3Dレプリカについて、そのままの形から研磨を進行させることによって、どのような形態変化が生じるのか、研磨実験を行う。この実験においては、当初から予定していた研究協力者の協力を得ながら進めることとし、予定していた以上の3Dレプリカを得られたことから、対照実験あるいは新たな視点から実験を行う研究協力者をさらに募ることとする。24年度8月開催のアジア鋳造技術史学会愛媛大会でのポスター発表(エントリー済)による研磨実験の途中経過報告を、その機会とする予定である。他方、武器形青銅器先端などが破断した場合にどのような研磨が行われ、そして武器形青銅器の形にどのような変化が生じたかを明らかにするために、作成した3Dレプリカを破断し、それを共同研究者において3D計測し、破断品の3Dレプリカを作成する。この作成作業が順調に進めば、破断品3Dレプリカの研磨実験も、24年度中に実施することとする。なお、3Dレプリカ作成の現品である、福岡市吉武高木遺跡3号木棺墓出土銅剣・銅戈・銅矛について、さらなる詳細観察と調査も行う。

次年度の研究費の使用計画

23年度に発注・納品された3Dレプリカ作成費として、1,200,000円が確実に執行されるところである。24年度研究費は、実験を行うにあたって必要な器材、観察・記録用のデジタル機器などの物品費として300,000円、研究代表者・共同研究者、さらには研究協力者との打ち合わせや資料調査用の旅費として450,000円、研究協力者への謝金として150,000円、そして破断品の3Dレプリカを作成費用として600,000円を執行する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 銅剣の新知見2011

    • 著者名/発表者名
      増田浩太、吉田広
    • 雑誌名

      月刊文化財

      巻: 578号 ページ: 23-25

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公開日: 2013-07-10  

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