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2013 年度 実績報告書

3Dレプリカを用いた弥生時代武器形青銅器のライフサイクルの復元実験研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520924
研究機関愛媛大学

研究代表者

吉田 広  愛媛大学, ミュージアム, 准教授 (30263057)

研究分担者 塚本 敏夫  公益財団法人元興寺文化財研究所, その他部局等, 研究員 (30241269)
キーワード武器形青銅器 / 3Dレプリカ / 研磨実験
研究概要

24年度に製作した鋒折損品3Dレプリカを用いて鋒再生研磨実験を行った。その中間成果を、とくに朝鮮半島出土青銅器と日本列島出土青銅器との比較という視点を加えて、8月に韓国慶山市嶺南大学校で開催されたアジア鋳造技術史学会嶺南大会で口頭発表した。
柳沢遺跡出土5号銅戈3Dレプリカについても、まずは研磨進行実験を施し、通常の研磨を行っていくと、山地銅戈と同様に、脊上に鎬が立つことを確認した。さらに、斧刃状加工の方法について、持砥石による研磨実験と置砥石による研磨実験を行い、後者による加工である可能性が高いことを導き出した。その成果の一部は、11月に長野で開催された日本考古学協会2013年度長野大会での研究報告において、信州における銅戈および銅戈形石製品に共通する特徴であることを指摘した。
実験研究成果の総括として、12月には、吉武高木遺跡3号木棺墓出土武器形青銅器現品を保管する福岡市博物館で場所の提供を受け、研究協力者である宮井氏・宮里氏・柳田氏と代表者吉田が参集して研磨実験を行い、それぞれの実験結果を最終的に確認した。
3カ年の成果として、研磨進行および鋒折損再生に伴う武器形青銅器の形態変化の実態を具体的に提示することができ、銅矛・銅戈に対し、銅剣において研磨進行に伴う形態変化が大きいこと、鋒折損再生の範囲は限定的であること、斧刃状再加工においては磨製石器製作との関連が窺えること等を導くことができた。
以上から、武器形青銅器のライフサイクルとして、使用に伴う研ぎ減り・再生が限られ、大きな欠損を生じた場合は、原料として鋳潰された、あるいは小型利器素材として分割・流通した可能性が高いと結論づけた。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2013

すべて 学会発表 (4件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 3Dデジタルレプリカを用いた武器形青銅器のライフサイクルの復元実験2014

    • 著者名/発表者名
      塚本敏夫・吉田広・宮井善朗・田尻義了・宮里修・柳田康雄
    • 学会等名
      日本文化財科学会第31回大会
    • 発表場所
      奈良市・奈良教育大学
    • 年月日
      20140705-06
  • [学会発表] 武器形青銅器のライフサイクルの復元実験研究2014

    • 著者名/発表者名
      吉田広・塚本敏夫・宮井善朗・田尻義了・宮里修
    • 学会等名
      日本考古学協会第80回総会
    • 発表場所
      東京都・日本大学
    • 年月日
      20140517-18
  • [学会発表] 信州における青銅器の受容と祭祀2013

    • 著者名/発表者名
      吉田広
    • 学会等名
      日本考古学協会2013年度長野大会
    • 発表場所
      長野市・若里市民ホール
    • 年月日
      20131019-20
  • [学会発表] 研磨による武器形青銅器の整形と変形-3Dレプリカを用いた弥生時代武器形青銅器の研磨進行実験から-2013

    • 著者名/発表者名
      吉田広・塚本敏夫・宮井善朗・田尻義了・宮里修
    • 学会等名
      アジア鋳造技術史学会
    • 発表場所
      大韓民国慶山市・嶺南大学校
    • 年月日
      20130824-20130825
  • [図書] 3Dレプリカを用いた弥生時代武器形青銅器のライフサイクルに関する復元実験研究2014

    • 著者名/発表者名
      吉田広・塚本敏夫
    • 総ページ数
      91頁
    • 出版者
      吉田広

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公開日: 2015-05-28  

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