研究課題/領域番号 |
23520933
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
栗島 義明 明治大学, 研究知財戦略機構, 研究員 (60445864)
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キーワード | 縄文時代 / ヒスイ製品 / 威信財 |
研究概要 |
当初の研究予定に即して、これまでに関東地方における考古学資料(ヒスイ製威信財)の集成を実施し、その集成成果を基に11月には公開シンポジュームを開催した。ヒスイ製威信財集成の実施はこれまでになされておらず、1都6県での集成は約800点に及び、加えて形状や属性、遺跡内での出土状態等もデータ化することふができた。これを基に実施したシンポジュームでは、事前に開催を呼びかけるチラシを作成し、関係機関等に送付して研究成果の社会的還元を心がけた。また、当日は冊子を印刷して参加者に配布した。研究者や学生、一般の方々など約250名の参加があり、研究の現状と成果を分かりやすく説明すると共に、新たな研究課題についての議論も重ねることができた。また、今後の課題についても話会うことができ、参加者にも好評であった。当該年度の研究成果は当初の予定以上の成果を得られたと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
以下の理由から、当初懸隔の目的達成は十便にできたと判断される。 ・当初に予定していた関東地方における縄文時代のヒスイ製威信財の集成がほぼ達成さ れたこと。集成にあたっては他研究者との協議の基、データカードを作成して客観的 属性抽出を目標とした。 ・公開シンポジュームを開催し、多くの参加者を得たこと。当日はヒスイ製威信財を巡 る多角的な議論がされ、研究の現状を把握したうえで今後の研究課題について明確な 指針を示すことができたこと。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究推進には二つの方策を予定している。 1)関東地方以外におけるヒスイ製威信財資料の集成と分析・検討 2)ヒスイ製威信財意外の考古遺物の検討 中部・東北の当該遺物の集成は数こそ関東地域よりも少ないものの、広域的な分布形成がなされていることから総てを遺漏なく集成することは困難である。可能な限りの集成を果たしておきたい。 縄文時代にはヒスイ以外にもコハクや貝を使用した威信財が存在する。これらの集成を単年度に実施することは無理だが、ヒスイ製品との比較検討を通じて縄文社会が何故、特定遺物に対して社会的威信を付与していたか、その実態解明へのアプローチをシンポジューム等を通じて検討したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
中部地方並びに東北地方のヒスイ製威信財の集成を進める。既に集成用のカードは昨年度予算で作成済みであることから、可能な限りのデータ化を進めたい。10月を目処に集成されたカードについては電子データ化を実施し、研究機関等へ配布する。 10~12月に「縄文時代の威信財」をテーマとして、ヒスイ製品、コハク製品、貝製品などを題材とした研究成果の発表と比較研究を公開で実施し、縄文社会の構造や威信財を用いた社会構成などについて検討する。この際にはチラシ等で研究者や学生、一般参加者の開催を促し、研究成果の社会的還元を目指す。
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