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2013 年度 実績報告書

古代マヤ社会の形成・発展に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520934
研究機関早稲田大学

研究代表者

寺崎 秀一郎  早稲田大学, 文学学術院, 教授 (90287946)

キーワード古代マヤ / ホンジュラス / メソアメリカ
研究概要

2012年度に引き続き、ホンジュラス、コパン県ラ・ヒグア市所在のエル・プエンテ遺跡建造物6の発掘調査おこなった。その結果、1段目の基壇上から2段目の基壇に達する中央階段が残存していることを確認した。しかし、この中央階段南側から2段目、1段目の基壇にかけて、基壇、階段を構成する石積みが崩落、および抜き取られてることが判明した。盗掘目的というよりは、建築材等に再利用するためと思われる。そのため、最終居住段階の復元は難航したが、ほぼ建造物6の正面構造については明らかにすることができた。その結果、少なくとも、1段目の基壇は、隣接する建造物7と最終居住段階においては接合していたことも判明した。建造物6の南側に位置する建造物7は、複数箇所の「盗掘」痕が地表面からも観察されることから、本研究の調査対象からは除外していたが、今回の結果は、建造物6、7の両建造物を一つの「単位」として検討する必要があることを示していると言えよう。
本研究期間においては、南東マヤ地域最大センターであるコパン遺跡の2次センター(エル・プエンテ遺跡)の「支配者」の居住用建造物の調査を中心におこなったが、1次センターと2次センターの紐帯を検証するための「支配者」の埋葬を確認するには至らなかった。しかし、上述の通り、二つの建造物が一つの「単位」として機能していたとすれば、1次センターであるコパン遺跡とは違うパターンを示している。個々の建造物が都市の構造上、「場」としてもつ機能について精査する必要性を喚起したという点は重要であろう。さらに、過去の調査における出土遺物の精査も併行しておこなったが、1次センターと2次センターにおける共通の属性をもつ遺物(今回の場合は人物像型香炉)の比較研究からも古代マヤ社会を支えたイデオロギー的側面としての儀礼を通じた1次センターと2次センター間の紐帯の検証の必要性を指摘することができた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 南東マヤ地域出土の人物像型香炉について‒コパンとエル・プエンテ遺跡出土例の比較‒

    • 著者名/発表者名
      寺崎秀一郎
    • 雑誌名

      早稲田大学大学院文学研究科紀要

      巻: 第59輯第4分冊 ページ: 31-49

  • [学会発表] 中米ホンジュラスにおける日本の文化遺産協力活動‒世界遺産コパンをはじめとして‒

    • 著者名/発表者名
      寺崎秀一郎
    • 学会等名
      世界遺産の未来‒文化遺産の保護と日本の国際協力(第8回文化遺産国際協力コンソーシアムシンポジウム)
    • 発表場所
      国連大学ウ・タント国際会議場
    • 招待講演

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公開日: 2015-05-28  

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