縄文土器型式の成立過程を、型式的特徴の継承・伝播現象と分布のメカニズムから把握し直し、それをパプアニューギニアの家庭的土器生産の民族誌調査から理論的に再構築することを目的にした。研究期間中、パプアニューギニアのイーストケープ地方とワリ島、セピク川中流域に出張して民族誌調査を実施し、部族社会の製作者に聞き取り調査を行った結果、母親から娘への技術的継承関係が明らかになるとともに、単なる土器製作技術だけではない、製作者の世界観までが製作者のリーダーとしての在り方や型式変化に大きな影響を与えていることを見出した。研究成果に基づいて公開シンポジウムを開催した。
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