研究課題/領域番号 |
23520943
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館 |
研究代表者 |
古谷 毅 独立行政法人国立文化財機構東京国立博物館, 学芸研究部列品管理課, 主任研究員 (40238697)
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キーワード | 国際情報交換 / 韓国 |
研究概要 |
日本列島の古代国家形成期である古墳時代に、前方後円墳を中心とした古墳で執り行われた葬送儀礼を家形埴輪の群構成と階層性から分析・研究する。とくに東アジア農耕社会の集落建築や家形造形品との比較・検討から、復元的分析を通じてその特質を明らかにし、古墳時代社会の安定と成長に大きな役割を果たした古墳葬送儀礼とその背景にある古墳時代他界観(世界観)を解明するための基礎研究の確立を目的とする。 また、これまでに交付された科学研究費補助金C(2001~2002年度:課題番号12610422)・同 B(2005~2007年度:課題番号17320127)の調査・研究成果と併せ、調査資料・研究成果の学術的公開を目指す総合研究報告書の作成準備を進める 本年度は、連携研究者と日本古代史研究者を含む研究協力者と共に、24年6月・10月・11月に、大阪府・広島県にて研究会を開催し、これまでの調査成果の確認と東アジアにおける古墳葬送儀礼に関する問題点を検討・分析した。また、これまでの調査・研究成果と併せ、総合的研究報告書の内容・構成と体裁、および作成スケジュールの検討・打合を進めた。 資料調査としては、近畿・中国地方の主要古墳出土資料を重点的に進め、大阪府・奈良県・広島県などの古墳出土埴輪資料の調査を実施した。このほか、既存の整理・研究成果を展示にて公開した(宮崎県西都原古墳群出土埴輪(特集陳列 南九州の古墳文化[2012.12.3 ~ 2013.3.3]東京国立博物館 平成館企画展示室)。 既存調査資料整理に関しては、写真・データ等の整理・分析を実施した。加えて、これまでの調査成果で収集した撮影画像のデジタル化を進めた。列品埴輪資料の整理・調査に関しては、東京国立博物館所蔵埴輪資料の調査準備を進めたが、館内における事業等の影響で今年度は実施に至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究テーマの目標達成のために、連携研究者と共に日本古代史研究者を含む多数の研究協力者を得ており、予算運用の時間的・人的投資について効率性が向上を図った。 また、これまで交付された科学研究費補助金基盤B・Cによる調査・研究成果を継承し、質・内容・量ともに従来の調査・研究事例を上回っている。 一方、既存の科学研究費補助金基盤C(2001~2002年度)・同 B(2005~2007年度)と併せた調査・研究成果の公開性において、早期の公開を目指した。具体的には、資料化準備の基盤を構築するために、既存の撮影写真31,000カットのデジタル化を進めた結果、公開の準備が進展した。 なお、設備的投資については、消耗品を含めてほとんど行なっていない。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究成果の定性・定量的評価から、平成23・24年度の研究方針には、変更の必要がないと考えられる。 次年度研究計画への改良・改善点については、補足調査の拡充および調査精度の正確性をさらに高めるとともに、東京国立博物館所蔵資料(列品)の整理・分析を進めることで、より研究予算運用の効率性・適時性を高めることを図りたい。 また、研究会では、今年度延期となった韓国での研究会交流会の開催と、さらに古代史研究者等との研究協力を強化し、研究・分析視角に関する発展性・独創性の拡充・確立を図りたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画で平成24年度計画の内、延期となった韓国での研究会交流会の開催(2013年6月予定)と、さらに古代史研究者等との研究協力を強化して、研究会を開催(同年8・10月予定)し、研究内容の充実・高度化を図る。 研究成果の公開についても、論文等公開を強化する一方、アルバイトの雇用を通じて、埴輪資料の補足調査も進展させる計画である。 また、研究会に合わせ、これまでに交付された科学研究費補助金基盤C(2001~2002年度)・同 B(2005~2007年度)の調査・研究成果と併せた総合的研究報告書の内容・構成と体裁および作成スケジュールの検討を促進し、報告書刊行の準備を進める予定である。
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