日本古代国家形成期である古墳時代の葬送儀礼について、家形埴輪の群構成と階層性の視点から分析・研究を行った。とくに東アジア農耕社会の集落建築や家形造形品との比較・検討を行い、古墳時代社会の安定と成長に大きな役割を果たした古墳葬送儀礼とその背景にある古墳時代他界観(世界観)を解明するための基礎研究の確立を目標とした。また、これまでの科学研究費補助金A(2000~2002年度:課題番号12610422)・同 B(2005~2007年度:課題番号17320127)の調査・研究成果と併せ、総合研究報告書の作成準備を進めた。 本年度の主な活動および成果は、前記の科学研究費補助金A・Bによる調査・研究成果に基づき、各地の主要古墳出土埴輪群の分析結果の検討および研究会の実施である。東京都・大阪府・福岡県・石川県で共同研究会を開催するとともに、大阪府・石川県で埴輪の調査を実施した。また、年度末には、研究成果報告書を作成した。
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