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2013 年度 実績報告書

水産物の有機認証からみる環境ガバナンスと養殖生産地域の変容に関する地理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520949
研究機関横浜国立大学

研究代表者

池口 明子  横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (20387905)

キーワード第三者認証 / 環境持続性 / 水産養殖 / ベトナム / 国際情報交換 / 国際研究者交流
研究概要

2013年度は,本格的な導入が始まったASC認証について,その開発の経緯や導入における問題点について文献および聞き取り調査をおこなった.ASC作成のために行われた会議についても,文献調査,および数名の参加者への聞き取り調査をおこなった.また,企業側にも従来のBAP,GGAPなどと比較した特徴について,聞き取り調査をおこなった.また,これまでの調査結果をまとめ,今後の持続的養殖および国際認証制度の課題を明らかにするために,ベトナム・カントー大学の水産研究者,メコンデルタの自治体水産職員らとともに2014年3月に横浜国立大学においてワークショップ「リスク社会における持続的な水産養殖とは?ベトナムのナマズ・エビ・ハマグリ養殖と環境認証制度の課題」を開催した.
メコンデルタではナマズ養殖の成長によって,次の環境問題の発生が懸念されてきた.第一に,飼料にメコンデルタ産小魚が使われることによる資源への影響である.第二に,養殖池から河川への排水がもたらす水質悪化である.第三に,生産過程で使用される薬剤や抗生物質が人体に及ぼす影響である.第四に,養殖池の拡大が地域の食料確保や農民の農地確保に与える影響である.GGAPやBAPはこのうち2-4の課題を解決しようとするものだったが,ASCでは飼料の質にも踏み込み,ベトナム産の原料を禁止し,ペルー産アンチョビのみを魚粉原料として認めようとするものである.
PADに参加した生産者は,国際認証導入によって売値が上がることを期待していた.しかし GGAP認証製品の価格は,導入当時を別にして従来品と変わらず,ASCについても,それによる市場価格の変化については懐疑的である.つまり,国際環境認証に関する議論では,環境負荷を減らすコストを消費者や流通業者が分担しようという努力がなく,生産者にすべてを負担させるものとして敬遠されている.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 「エコ・ナマズ」にみる湿地の政治生態

    • 著者名/発表者名
      池口明子
    • 学会等名
      経済地理学会
    • 発表場所
      名古屋大学

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公開日: 2015-05-28  

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