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2011 年度 実施状況報告書

ベトナムにおける韓国人ディアスポラの融合・隔離・妥協

研究課題

研究課題/領域番号 23520954
研究機関岡山大学

研究代表者

金 どぅ哲  岡山大学, 環境学研究科, 教授 (10281974)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード韓国人ディアスポラ / エスニック / 隔離 / 妥協 / 国際研究者交流 / ベトナム / 韓国
研究概要

本研究は,東南アジア最大の韓国人コミュニティが形成されているベトナムのホーチミン市を事例に,(1)韓国人ディアスポラの社会経済的な属性と移住動機および生業の変化を明らかにするとともに,韓国人ディアスポラとベトナム人コミュニティの両方からアプローチし,(2)ホストコミュニティであるベトナム人社会との相互作用の経路,(3)ホストトコミュニティとの融合・隔離・妥協の政策・経済・社会的要因を明らかにすることを目的とする。平成23年度には,統計資料の分析とホーチミン市とその周辺にて韓国人ディアスポラに関する調査とホストコミュニティ側の調査を行った。また,韓国にてホストコミュニティとの妥協点を見出せず帰国した韓国人に対する予備調査を行った。その結果,以下のことが明らかとなった。(1)韓国外部省の推計ではベトナム全国に約9万5千人の韓国人が住んでおり,そのうち約8万人以上がホーチミン市とその周辺に居住している。(2)ホーチミン市内には移住動機や時期を異にする韓国人集中地域が5箇所も形成されている。(3)ベトナム政府は外国人の移民を認めていないので,駐在員やその家族など一部を除く大半の在越韓国人の法的地位は6ヶ月未満の短期滞在である。(4)実際のところ,ベトナムに居住する韓国人の多くは,家族ぐるみで新たな生活基盤を求めて移住してきたいわば「移民」であり,自営業・中小企業などを営みながらホストコミュニティであるベトナム人社会と日常的な相互作用を行っている。(5)しかし,ベトナム語を不自由なく駆使できる者はごく一部に過ぎず,日常生活に必要な情報を,韓国人コミュニティから得ようとする傾向が認められる。つまり,ホーチミンにおける韓国人エスニック・コミュニティは量的には成長を続けてきたものの,質的にホストコミュニティと融合できず,経済的な優位性にもかかわらず,社会的弱者として位置づけられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現地調査のための期間を十分に確保できなかったが,統計資料や2次資料等を活用して,おおむね計画通りに進んでいる。

今後の研究の推進方策

平成23年には現地調査のための期間を十分に確保できなかったため,繰越金が生じてしまったが,平成24年度には深層インタビューや参与観察に要する十分な調査期間を確保する。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度に約1週間程度の短期の現地調査とともに,1,2ヶ月程度の中期の現地調査をも計画しているため,旅費を中心に研究費を執行していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] ホーチミンで働く日本人女性の就業状況と生活環境2012

    • 著者名/発表者名
      土屋純・神谷浩夫・金どぅ哲
    • 雑誌名

      都市地理学

      巻: 6 ページ: 16-28

    • 査読あり

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公開日: 2013-07-10  

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