本研究は、我が国における開業動向を地域的および時系列的に分析することによって地域的特徴を見出し、その背景や地域の創業支援環境との関係を明らかにするものである。 大都市圏では、活発な起業活動がみられる結果開業数も多く、開業率もおおむね高くなっている。これに対して、地方圏では、開業と廃業が顕著ではなく、開業率や廃業率も低位に推移している。このことは、地方圏における開・廃業動向と景気循環との関係性の低さが反映しているといえる。地方圏においては起業・創業支援環境は決して悪いわけではないが、起業家のビジネスに関する認識や補助金等の活用のあり方を検討していくことが、地方圏の内発的振興の鍵といえる。
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