研究課題/領域番号 |
23520967
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研究機関 | 新潟産業大学 |
研究代表者 |
高橋 眞一 新潟産業大学, 経済学部, 教授 (80030683)
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キーワード | 出生力 / 地域分析 / 結婚率 / 国勢調査 |
研究概要 |
本研究の目的は、今までほとんど少子化の分析の行われていない地方中小都市に視点をあてて、少子化の地域独自の内容を明らかにすることである。研究の方法として、まず国勢調査等の統計を利用して日本の地域別出生力変化を明らかにしていくこと、そしてアンケート調査および聞き取り調査で地方都市の少子化の実態を明らかにする方法を採用した。 初年度は国勢調査等統計を利用し、1980年-2005年の地域別出生力および未婚率等についてデータ入力および出生力指標の計算を行い、大都市圏、中小都市、非都市部のそれらの特性を明らかにした。中小都市では出生力が一般的には相対的に高く、未婚率は低いという傾向が見られた。このような特性がなぜみられるのかが一つの課題である。 2年目の平成24年度は、客員教授として在籍している新潟産業大学を通じて、地方の一小都市である新潟県柏崎市の協力を得て、市全域の出生力に関するアンケート調査を実施した。柏崎市のDID人口は2005年国勢調査結果によって4万、30-39歳男子の未婚率が40%を越える高さを示している状況で、調査対象としては適切な地域であると考える。アンケート調査は、柏崎市について、18-49歳男女計3000名を無作為抽出によって選び、未婚者および既婚者用の2種類の調査票を郵送形式による配布により実施した。回収数は720で回収率は約25%であった。回収した調査票のデータ入力を行い、現在、分析を行いつつある。 前年度に行った国勢調査等のデータ入力とその結果の分析を継続した。2005年までの分析に加えて、今回の分析にとって非常に重要なデータを含む2010年国勢調査結果の発表は平成24年前半以降順次発表され、この結果の一部を分析した。さらに詳細な分析は次年度にわたって続けられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は実施予定であった地方都市におけるアンケート調査を成功裏に実施することができた。全国調査によるアンケート調査の結果は、人口比率の大きい大都市圏等の結果が大きな影響を及ぼす。そのため,従来ほとんど関心の寄せられなかった地方小都市の新潟県柏崎市を対象にしたことで,意義のある調査であると考えられる。回収率は約25%であったが、郵送方式とはいえ回収率はそれほど高くなく、この方式の調査の難しさを痛感した。 調査実施にあたって、新潟産業大学および柏崎市の全面的協力を得て実施することができた。また、新潟産業大学平野実良専任講師には研究協力者としてご協力いただき、調査の実施および調査結果のデータ入力について大変お世話になった。そのおかげで年度内にデータ入力は終了し、分析作業に入ることができた。 前年度に行った国勢調査や人口動態調査のデータ入力結果の分析を継続するとともに、2005年までの分析に加えて,この研究にとって重要なデータを含む2010年国勢調査結果のデータ入力と分析を行うことができた。ただ、特に1970年および1975年国勢調査からの必要なデータ入力は24年度では完了せず、25年度に引き継がれる。
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今後の研究の推進方策 |
回収された未婚者および既婚者アンケート調査票の集計結果を基に、本格的分析を行い、柏崎市のような小都市地域の既婚者の出生力と未婚者の結婚への考え方の特徴を明らかにしていく。その過程でアンケート調査からさらに踏み込んだ内容について明らかにするために、そして分析に必要な問題点を詰めていくために、50人程度の聞き取り調査を行っていく。また、国勢調査および人口動態調査を中心とした官庁統計による年齢別結婚率及び有配偶出生率の1970-2010年のデータを利用した分析を引き続き行う。これらの調査および統計分析結果を土台にして,学会で報告するとともに,年度末に報告書を作成していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
前年度に実施したアンケート調査結果の分析を基にして,50人の面接調査を行うこと,学会や研究会等で今年度後半に調査結果の報告のための出張,前年度から残されている1970年等の国勢調査の年齢別および配偶関係別人口の入力のための謝金,それに結果報告の作成等で研究費を利用する.
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