本研究の目的は、ホノルルにおける戦後移住の日本人の「居住空間」とジェンダーの関係を明らかにすることである。そこで日本人女性を中心に展開されるネットワークに注目し、それぞれの活動内容と参加者のライフヒストリーの聞き取り調査を実施した。その結果、彼女たちが、自分たちの必要とおかれた状況に応じて居住空間を形成していることが分かった。彼女たちは、意識的にも無意識的にも周囲に期待される「日本人女性」としての役割を演じており、それがアイデンティティの再生産にもつながっていた。一方でこうしたネットワークを通じて、彼女たちはハワイ社会で自らの居住空間を形成していたのである。
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