研究課題/領域番号 |
23520969
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研究機関 | 京都学園大学 |
研究代表者 |
佐々木 高弘 京都学園大学, 人間文化学部, 教授 (20205850)
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キーワード | 環境知覚 |
研究概要 |
本研究の目的は、古代から近世にかけて成立した日本各地の都市が有する神話的伝承から、物理的形態を有する実在的空間としての都市と、伝承に見られる当該都市に居住していた人々の心理的空間としての都市の比較を行うことである。平成25年度においては、江戸を平成24年度からの継続研究対象とし、伝承の収集とデータベースの作成、古地図の収集と、現代地図への復原作業を行った。また平成25年度以降に行う予定にしていた地方都市の研究を以下の都市、地域で行った。(1)愛知県の名古屋城下町、(2)兵庫県の姫路城下町、(3)石川県の金沢城下町、(4)高知県の高知城下町。これら都市、地域においても、伝承の収集とデータベースの作成、古地図の収集と、現代地図への復原作業を行った。これら作業においてはは物品購入費および謝金を使用した。 次に、これらデータベースに基づいて、伝承されている場所を古地図等で確認し、現在の地形図での復原作業を行った上で、現地調査を実施した。現地調査では写真撮影、VTR撮影を行った。名古屋城下町の伝承では広く愛知県にわたる伝承となっため、愛知県全域にわたる調査も行った。これら作業においては旅費、その他を使用した。 また古代都市から中世都市における「四角四境祭」の調査も古代の畿内制については、高野山、中世都市については鎌倉において調査を行った。これら作業においても旅費、その他を使用した。さらに近世大坂の補足調査として「七墓巡り」の調査も行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
)25年度に目標としていた、東日本、西日本それぞれの地域における近世都市城下町の調査においては、東日本が江戸・東京の調査に平行して、名古屋城下町の調査が順調に進んでいる。近世名古屋城下町の神話的伝承については『尾張霊異記』から伝承のデータベースを作成し、古地図において場所を確認した。江戸の神話的伝承については昨年度同様に『耳袋』の伝承をデータベース化し、『江戸城下変遷絵図集』に基づいて場所確認を行い、現代地図で分布図を作成している。また現地調査も随時進めているところである。また西日本の近世城下町については、姫路および高知の調査を進行中である。姫路については『西播怪談実記』の伝承をデータベース化し、現地調査を行った。高知城下町については、『土佐化物絵本』の伝承について、検討しているところである。 また近世大坂の神話的伝承として「七墓巡り」を取り上げ、古地図での場所確認、現地調査を行った。また古代から中世の都市の神話的伝承として「四角四境祭」に注目し、古代の畿内制については高野山、中世の鎌倉でも調査を行った。これらについては現地調査を行い写真撮影、VTR撮影を行った。 これら成果を現在、ブログで公開する準備を進めている。
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今後の研究の推進方策 |
26年度については、これまでの江戸・東京の研究と平行しつつ、東日本からは名古屋金沢のいずれかの都市において、西日本については姫路・高知について同様の研究を行う予定である。データベース作業においては、作業補助者に対して謝金を使用する。 名古屋・金沢については引き続き、古地図の収集、および現在の地形図との比較作業を実施する。これら資料・古地図収集については、物品購入費・旅費を使用する。その上で現地調査を行う。 東日本・西日本の選定された都市についても、引き続き同様の作業を行う。26年度の現地調査においても、前年度に購入したノートパソコンを使用し、古地図をパソコン上で操作しながら、現在の状況と比較しながら研究を進める。 以上、これら作業を繰り返して、近世の地方都市の物理的都市空間形態と、居住者の心理的都市空間の比較を行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた図書購入費が大学の経費内におさまったため。 古地図等を購入する予定である。
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