本研究は、都市空間における物理的側面と精神的側面の関係史を探ることを目的としている。選ばれた都市は、京都、大阪、東京、名古屋、金沢、姫路、高知、鳥取である。これら都市は物理的に古代から近世まで都市的性格を持っていた。これら都市の物理的側面は、歴史地理学の研究成果から、精神的側面はこれら都市が持つ、神話的伝承から見た。 結果、いずれの都市も古代の街道沿いに神話的伝承が分布していること、そしてそれら分布は平安京との関係があることも。これら近世の諸都市は古代都市とは異なる物理的特性を有しているが、精神的には古代的世界観を継承していることが明らかとなった。
|