研究課題/領域番号 |
23520972
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
磯田 弦 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (70368009)
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研究分担者 |
金 どぅ哲 岡山大学, 環境学研究科, 教授 (10281974)
四本 幸夫 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 准教授 (50449534)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 棚田 / 少数民族 / 山間地域 / リモートセンシング / 自給的農業 |
研究概要 |
今年度は、ほぼ研究計画どおりに研究を遂行することができた。今年度実施した研究活動は以下のとおりである。(1) 1973年以降のLandsat衛星画像4期から、robust logistic regression を使って、水田を特定し、水田の開発時期を推定した。(2) 前述の水田の開発時期の推定方法および推定結果を、日本地球惑星科学連合2011(5月)で発表した。(3) ハノイ大学の教員・学生の協力を得て、7月にベトナム・サパにて現地調査を行い、水田の開発時期および水田の生産性および生業に関するサンプルを集めた。(4) 上述のサンプルデータより、水田の開発時期の推定結果の検証を行った。(5) 水田の開発時期の推定結果の検証は、地理情報システム学会(10月)にて発表した。(6) 3月に再び、現地調査を行い、サンプルを追加した。 収集したサンプルとの比較により、robust logistic regression を使って過去の土地利用を判別できることがわかった。また、誤差を許容すれば、土地利用の変化も把握できることがわかった。 推定結果によれば、この対象地域における水田(棚田)は、1973年より年間平均1-2%程度で増加しており、現在も拡大していることがわかった。また、水田開発は、比較的平坦な土地から、より急こう配の土地に外延的に拡大したことがわかった。水田の生産性については、開発年代が古いものの方が高く、より最近開発された水田では低くなる傾向があることがわかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
調査の過程でハノイ大学地理学教室の研究者と合同で調査をすることができ、サンプル数、質問項目数ともに予定を上回るサンプルを収集することができた。また、ハノイ大学よりデータの提供を受けたため、データ購入費用を節約し、調査費用に充てることができた。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の調査で、棚田の拡大過程を検討するのに十分なサンプル数を得たこと、また、観光開発の著しい進展による家計への影響がかなり大きいことが判明した。したがって、今後は観光業が従来の農業を中心とした生業に与える影響に着目し、あらたな調査項目を設定して、サンプルを収集する。
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次年度の研究費の使用計画 |
主として、科研メンバー3名の現地調査のための出張旅費として使用する。また、8月のInternational Geographic Congress (Cologne, Germany)の出張旅費としても使用する。
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