研究課題/領域番号 |
23520986
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
湯川 洋司 山口大学, 人文学部, 教授 (10166853)
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キーワード | 民俗学 / 山村社会 / 自律性 / 五木村 / 只見町 |
研究概要 |
本研究は、日本の山村史上、人口が最も増大した1960年代と、その後の過疎化と高齢化の進行により「限界集落」化した2000年代の山村社会とを、熊本県五木村(日本の南の山村)と福島県只見町布沢地区(旧布沢村)(日本の北の山村)を対象地として、独自に設定する比較指標と各時代相との照合を通じて相互に比較し、山村の存立と持続に必要となる「自律性」とその確保のための条件を解析・抽出しようとするものである。第2年次にあたる平成24年度においては、次のように実施した。 ①比較指標(案)に基づき、五木村に集中して現地調査を実施し、特に集会施設、常会、穀物貯蔵のための倉について資料を得た。また関係記録資料・データの補足的収集を進めた。 ②比較指標(案)に基づき只見町で予備調査を実施し、かつての年中行事と現在の年中行事、また最近の地域自治の住民の新しい動きについて、それぞれ聞書きを行い資料を得た。 ③比較指標(案)について、年中行事に関する指標を考案した。なお、社会生活に関する指標は引き続き検討を進める。 ④五木村の資料集を作成するための資料翻刻、編集作業を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画に従い実行し、現地調査による資料収集、それらに基づく比較指標の設定と「五木村山村生活資料集」の資料編集を行い、ほぼ当初の計画通りに行うことができた。 資料集の編集は一部未完成であるが、平成25年度に引き続いて実施し、25年度内に刊行できる見込みである。 五木村観光協会主催のガイド養成講座の講師に招かれ、調査成果を取り入れた内容の報告を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画を大きく変更する必要性はなく、比較指標の設定を引き続き行ったうえで、25年度においては只見町の現地調査に集中的に当たことと、五木村資料集の刊行を行う。 26年度においては、調査研究の報告のとりまとめを行うこととする。
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次年度の研究費の使用計画 |
主として、福島県只見町における実地調査(資料収集)を集中的に実施する。併せて、熊本県五木村の補足調査も実施し、相互の比較資料の収集を進める。このため、研究費の多くの部分を旅費が占める。 平成24年度の未使用額は、資料翻刻のための謝金が残ったものであり、これは平成25年度に継続する資料翻刻の謝金に組み入れて使用する。
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