研究課題/領域番号 |
23520992
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
市川 秀之 滋賀県立大学, 人間文化学部, 教授 (80433241)
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キーワード | 神社祭祀 / 用水 / 共有林 / 漁場 |
研究概要 |
平成25年度は当初予定していた福井県、奈良県において現地調査および資料調査を実施した。また前年度に引き続き滋賀県においても現地調査、資料調査を実施した。福井県においては小浜市内・若狭町内の各村落において調査をおこなった。ことに小浜市内では矢代、田烏などの海岸部の村落における神社祭祀と海浜の利用について調査をおこない、この地の代表的な祭りである手杵祭りと山・漁場の関わりなどについて確認した。また奈良県橿原市では畝傍山周辺の村落において畝傍山口神社の祭祀および山林利用、かつての水利状況などについて聞き取りを行い、また五條市湯川などにおいても山林利用と波寶神社の祭祀の関連について聞き取り調査をおこなった。さらに天理図書館、奈良県立情報文化館などにおいて資料調査(絵図・古文書)をおこなった。さらに滋賀県では米原市の志賀谷や伊吹においてオコナイ行事の調査および聞き取り調査をおこない、ことに伊吹では出雲井という用水と岡神社の祭祀の関連性について確認した。このほか滋賀県立図書館、滋賀県庁県民史料室、東京都立中央図書館などにおいても文献調査を実施し、滋賀県では神社明細帳の撮影、東京都立中央図書館では東日本における類似事例の収集をおこなった。これらの調査によって滋賀県・福井県・奈良県における広域神社祭祀の事例一覧を作成するとともに、それに関連する山・用水・海浜などの利用について概要を把握し、数地点においてはより詳細な分析をおこなうことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初予定していた通り、広域神社祭祀については近畿地方を中心にほぼ事例一覧と代表的な事例の分析が実施できており概ね順調に進行しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度となるのでこれまで集積したデータを一覧表や年表などの形に整理するとともに、論文や学会発表の形でアウトプットすることにつとめたい。また個別地域の分析の普遍化にも努めたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
当初より4年の計画であったため、26年度分として上記の金額が必要である。 26年度は消耗品費180千円、旅費276千円、謝金など253千円を執行する予定である。
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