北上山地山村では、自給的な部分の大きい生計維持活動が森林環境を改変し、焼畑や畑、採草地、放牧地、薪炭林として利用されてきた。これらの変化の過程を聞き取り、観察、文献により調査した。この結果、山村の周辺で生物多様性が維持され、生計活動に再利用しやすい森林環境が形成維持されてきたことがわかった。 北上山地でニホンジカ、イノシシが分布を拡大し、農林業被害が増加しつつある。しかしこれらは明治期には生息していた動物であり、生息域の再拡大である。かつての山村では、これらが衣食や道具等の資源として積極的に利用されていた実態を明らかにした。
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