鳥海山は近世期以降人為的に作られた国境を巡って騒動が絶えない状況が続いていた。それが5年前に国の史跡指定を受け、山形県・秋田県という県境を越えてまとまりを見せ始めた。本研究では史跡指定を受けて以降、長年の騒動を超えて地域住民がどのように主体形成とアイデンティティ獲得を目指して行動したのか、そのプロセスをたどって分析を行った。 山形県、秋田県の2市1町が『史跡鳥海山報告書』を作成し、神田は上記の成果として第4章鳥海山の修験と文化の中で、これまで史料批判なしに作られた市町村史や郷土史を作り替える新しい研究の知見を踏まえた報告を行った。
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