研究課題/領域番号 |
23521003
|
研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
杓谷 茂樹 中部大学, 国際関係学部, 教授 (90410654)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
キーワード | 観光 / 遺跡公園 / マヤ文明 / イメージの生産と消費 / 文化資源 |
研究概要 |
9月の秋分の日の前後に、チチェン・イツァ遺跡公園に赴き、エル・カスティージョという建造物で起こる現象に関して、遺跡ガイドツアーの追跡調査を実施して、それを見物しようと集まってくる観光客の動きと併せて観察したほか、映像資料データを獲得した。この中で、様々なメディアによって、あらかじめ何らかの知識を得る度合いの高い、日米欧の観光客のうち、特に日本人団体客については、遺跡公園を広く歩いて何かを学ぶというより、現象を見ることのみを目的として行動している様子が観察されて興味深かったが、それが日本人特有のメディアの影響が現れたものだったのか、それともほかの観光客にもいえることなのか、あるいはそれは単に個人的な志向にすぎなかったのかについては、さらなる観察が必要と思われる。また、あわせて遺跡公園内のインフラ整備状況と地元露店商の増加拡大についても観察調査を実施したが、遺跡公園管理者側が地元露店商の遺跡公園内への侵入に手をこまねいているように見える中に、近い将来にこれを排除する準備作業とも取れる行動が見て取られたので、遺跡管理担当者へのインタビューの中でその確認を試みた。むろんはっきりしたことは話してくれなかったが、その言葉の端々にそれを肯定するような表現があったように思う。これについても継続的に観察してゆくことの必要性が明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度に関しての当初の計画では、秋分の日、クリスマス休暇期間、春分の日のそれぞれの時期における、チチェン・イツァ遺跡公園の観光状況、およびユカタン半島北部地域の観光拠点の観察調査を実施するつもりであったが、秋分の日については調査を実施できたものの、それ以降については、個人的な理由として、身内の不幸があり、またその後の後片付けに時間を取られたこともあって、事前準備を含めて現地調査については実施することができなかった。
|
今後の研究の推進方策 |
上記した理由から、今年度に予定していた調査ができなかったため、これをカバーするために次年度は、当初計画していたよりも多くの回数にわたって、現地調査を実施したいと考えている。具体的には夏季休暇期間、秋分の日、11月下旬、春分の日のあたりで実施したい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究費の大半は現地調査の旅費で使用することになると思われるが、一部は現地でのガイドなどへの謝金、および日本での資料整理にかかる謝金などの経費が発生することを見込んでいる。
|