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2015 年度 実施状況報告書

韓国、米国、日本在住中国朝鮮族のネットワーク化に関する文化人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23521005
研究機関立命館大学

研究代表者

原尻 英樹  立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70231537)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2017-03-31
キーワード中国朝鮮族 / トランスナショナリズム / 前近代 / 近代 / ポスト近代 / 移動
研究実績の概要

2016年3月31日までに達成した内容について記述する。
中国朝鮮族のネットワーク化について研究するために、これまで、アメリカのニューヨーク、ロサンゼルス、韓国のソウル、日本の東京、それから、もともとから朝鮮族が居住してきた中国東北地方の、延辺、長春等の地方都市、近年朝鮮族が集住してきた青島、それから、香港の隣に位置する経済特区の深せん、これらの都市に居住する朝鮮族のデータを収集してきた。
近年の国際的なレベルでの人の動きをとらえる考え方として、トランスショナリズムという考え方がある。まだ、この考え方においてはっきりとした方法が確立されたとはいえないだろうが、国際的レベルの研究動向をみると、かなり研究が蓄積されている。このトランスナショナリズムの観点から中国朝鮮族を分析することが有効であると考えらえる。
2015年度は、このトランスナショナリズムの観点から分析するために、中国東北地方での中国朝鮮族の生活史についてのデータを集めた。なぜならば、歴史的に考えた場合、前近代、近代、そして現代=ポスト近代という時代状況のなかで、朝鮮族は、今日のトランスナショナルなネットワークを形成する、基本的な萌芽、考え方、人間関係の作り方を形成してきたと考えられるからである。2015年度の調査によると、前近代から近代(中華人民共和国成立後に中国朝鮮族の概念確立)において、今日の朝鮮族は、移動をその生活の基本に置いてきたことが分かる。そして、近代ーポスト近代になってくると、この生活志向を国境を跨ぐ、トランスナショナルな移動につなげていったといえる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2015年度は中国国内の調査のみを遂行しており、ずっと中国に滞在していたので、分析について考える時間が十分になかったから。しかしながら、中国国内のデータは、中国朝鮮族を考える上で重要であるので、今後これを活用することで、遅れを挽回できると考えられる。

今後の研究の推進方策

中国朝鮮族についての、現状についてのデータ、その歴史についてのデータは十分に揃ってきたので、今後はこれをベースにした分析を展開しなければならない。今年度は、学会発表も含めて、分析した内容を発表することと、これまでのデータの確認を行うことにする。

次年度使用額が生じた理由

一年間の中国滞在は科研費ではなく、所属大学の予算であったため、長春以外の一部の滞在費だけを科研費に依っている。しかも、予算を使わなければならない調査ではなかったため、研究費をあまり使わなくで済んだ。

次年度使用額の使用計画

今年度一年研究期間を延長し、これまで取集したデータの確認と発表を今年度精力的に行うことで、予算を使う予定である。具体的には、国内外の学会発表等になる。また、これまで入手困難だったデータなども収集する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 東シナ海域における朝鮮半島と日本列島:その基層文化と人々の生活2015

    • 著者名/発表者名
      原尻英樹・金明美共編著
    • 総ページ数
      408(28-183, 369-371)
    • 出版者
      かんよう出版

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公開日: 2017-01-06  

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