中国朝鮮族を事例として、そのトランスナショナルな移動の実態を明らかにして、その動きの歴史的な意味を解明し、かつ、現代世界におけるトランスナショナリズムの意味について考察することが研究目的であり、これに、旧来のエスニシティ論、マイノリティ論、国民国家論、前近代文化の意味論、東アジアにおける移民史等も参照しながら、分析をすすめる。 考察内容をまとめると、1.火田に基づく移動と水田耕作農業に基づく定住、これら二つのハビトゥス、2.朝鮮の伝統的人間関係である契に基づく、集団化、3.農作業と同型の運動になっている踊りによる、身体的コミュニケーションとそれに基づく人間関係、になる。
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