研究課題/領域番号 |
23521010
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研究機関 | 熊本学園大学 |
研究代表者 |
萩原 修子 熊本学園大学, 商学部, 教授 (60310033)
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研究分担者 |
飯嶋 秀治 九州大学, 人間環境学研究科(研究院), 准教授 (60452728)
西村 明 東京大学, 人文社会系研究科, 准教授 (00381145)
山室 敦嗣 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 准教授 (90352286)
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キーワード | 水俣 / 再生 / 民俗 / 環境 / 生業 / 宗教 / 社会 / 学際 |
研究概要 |
本年度は、下記の通り予定通り全体での研究会4回開催した。 まず、第1回研究会は6月30日(福岡)にて、分担者と互いの研究の進捗状況を報告した。分担者の飯嶋は夏期に学生を連れてのフィールドワークに、分担者の西村も一部参加することとした。また、山室は異動先の兵庫での環境の共生と本研究をリンクする方向性を確認した。萩原と西村は不知火調査団の報告書の読み直しから研究の枠組みを広げることを確認した。第2回研究会は8月27日(水俣)にて、互いの進捗状況と今後の計画を確認した。飯嶋はフィールドワークを終えた報告や課題を提起した。また山室は研究の方法論の紹介をいくつか行う。さらに、今後の現地調査でどのような形が妥当かを確認する。第3回研究会は、12月6日(福岡)にて互いの進捗状況を報告した。飯嶋はフィールドの成果報告の問題点を挙げ、山室は「コウノトリの郷公園」での課題と水俣の問題の接点を報告。萩原は「再生」の用語について検討する報告を行う。西村は「九学会連合」の紹介を通して共同研究の手法を検討した。また、次年度の国際学会(IUAES)でのパネル発表に向けての検討を全体で行った。第4回研究会は2月3日(福岡)にて、互いの進捗状況を報告。今年度の進捗を振り返り、来年度の方向性を確認した。また、国際学会での発表が決定した飯嶋、西村、萩原はパネルでの役割分担などを検討した。 以上、全体での研究会の他に、各自がフィールド調査を行い、独自の分野とリンクさせての学会発表などを行った。現地調査に関して、飯嶋以外は予定されていた調査がやや不足しているが、今年で3年目を迎えた本研究は、それぞれの分野で関連し合いながら多様な視点を獲得できてきたものと思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究会などは予定通り行い、互いの研究の進捗と全体の方向性の確認は常に取り合っている。しかしながら、全体に現地調査の面でやや遅れていると言える。飯嶋は学生を連れた本務校の現地調査とのリンクによって本研究の進捗は充分であると考えられるが、萩原は現地調査でのインフォーマントの問題で少し遅れている。西村と山室は、勤務校の異動に伴い、さまざまな業務によって現地調査の機会を充分にとれない状態であった。 各自の研究とメンバーの連携は進んでいるものの、現地調査に関して、もっと充実させることが必要であった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究はこれまでの研究会を通して、各自の知見を交換し、研究の枠組みや方向性について多様な視点を獲得してきた。ただ、現地調査において、一部進捗状況が遅延しているため、今後は研究会と合わせて、現地調査の充実を目指す。そのためには、調査期間の確保と、現地との連絡を緊密に行うことが必要である。また、本研究の目的そのものとも関連するが、今後も現地との長い往還を視野に入れた研究内容、方向を意識していきたい。 さらに、次年度は本研究の最終年度であるため、学会などでの成果報告も視野に入れていきたい。一つには、5月に行われる国際学会(IUAES: International Union of Anthropological and Ethnological Sciences)において、研究メンバーの3人でパネル報告を予定している。
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