本研究は島々・海・沿岸地域を一体の島嶼世界と捉え、そこで行われてきた民俗芸能を、歴史的に形成・伝承されてきた島嶼世界の民俗文化として解明することを目指し、瀬戸内海を初め、西日本各地の多島海的海域における島々と沿岸地域の民俗芸能について調査を行い、相互比較を試みるものである。 こうした問題意識に基づき、本研究では、西日本最大の多島海海域である瀬戸内海の島々とその沿岸地域を中心に、各地の民俗芸能とそれらが行われる祭について、現地調査、調査報告や論文等に関する文献調査、上演の様相等を記録した動画映像等に関する調査を実施した。その結果、これらの地域の民俗芸能の全体的な様相を明らかにすることができた。
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