研究最終年度である平成25年度には、本研究の最終年度として、初年度、昨年度に引き続き現有資料の精査と補強ならびに現地資料の収集を行うとともに、以下のような活動を展開した。(1) 湖南省高級人民法院、長沙市中級人民法院、長沙市内各基層法院、長沙市人民政府司法庁、北京市内法院、国家検察官学院、北京市内の法律事務所において、裁判官、検察官、弁護士および紛争当事者に対するインタビュー調査を実施した。(2)中国社会科学院法学研究所、中国人民大学法学院、中国政法大学、清華大学法学院、上海交通大学凱原法学院、湖南大学法学院、厦門大学法学院において、研究者に対するインタビュー調査を実施した。(3)現地調査をつうじて私人間紛争解決以外の場、すなわち刑事法、行政法の分野における公正・公平論および伝統法との連続性が指摘されることが多々あった。そのため、これまでの研究をとりまとめるとともに、本研究を中国における紛争解決システム全体の正義論に関する研究に発展させることを目的として、中国の民法、刑法および法制史の研究者を招へいし、他の日本の中国法研究者もまじえたワークショップを、日本(名古屋)にて実施した。(4)現在研究成果の最終的なとりまとめを行っており、日本および中国において発表する予定である。
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