法哲学の伝統的な研究対象であった法に加え、近年その活用が注目されているアーキテクチャの権力を適切に分析するために、社会的統制手段という分析枠組を提示し、それらの相互関係と特質を分析した。法を用いた近代的統治の基礎となっている個人とその自己決定というメカニズムが当初から一定の問題を抱えており、さらに弱体化しつつあるという認識のもとに、新たに可能な社会像のオルタナティブとして「新しい中世」としての新自由主義、総督府功利主義に加えて監視社会化を徹底するハイパー・パノプティコンがあり得ることを示した単著を刊行した。
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