本研究は、第1回帝国議会から第3回帝国議会にかけて行われた府県制・郡制改正論議を跡づけ、その経緯と特徴を明らかにし、日本の近代自治論を跡づけるものである。 第1回帝国議会から府県制・郡制改正関連法案が審議されるが、第3回帝国議会で郡制および府県制の全面改正法案がはじめて審議される。両法案は、府県・郡に自治を導入しようとする法案で、類似性を有していた。 第3回帝国議会衆議院では、郡制改正法案は可決されるが、府県制改正法案は否決される。これは、郡自治と府県自治に対する衆議院の態度の違いを示す結果であった。
|