本研究ではアンシャン・レジームの社団国家が、革命のプロセスを経て国民一人一人を基礎とする国民国家へと変貌したが、社団国家の体制が基本的に神によって定められた始原からの歴史的原理によって正当化されるのにたいして、新しい国民国家は、歴史的原理を離れ、「国民の意思」を基盤に正当化されること、 法はこうした国民の意思を基礎とした「一般意思」となり、さらに自律した意思を持った「市民」が、「国民の意思」の基盤となるということを明らかにした。そして、革命はすべての人に市民権を認めたわけではないが、また、市民から排除された人を市民へと再教育するシステムを作ろうとしていたことも明らかにできた。
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