今後の研究の推進方策 |
第1に、本年度の「収支状況報告書」の「次年度使用額」の合計として40,172円があるのは、山谷の日雇労働者に関する資料収集等に充てるべき費用が本年度は十分ではなく、次年度に購入することとしたためである。次年度は上記金員を合わせて日本の日雇労働者・野宿者に関する資料収集に予算を一定程度費消したい。 第2に、昨年度は体調を崩し、訪米の機会が予定より少なかったが、本年度はカリフォルニア州バークレー市において資料収集を実施するとともに、6月上旬に「法と社会学会」(Law and Society Association)ホノルル大会に参加し、研究成果の一部を報告し、他国の研究者からの批判を仰ぐことができた。この成果を次の論考や研究報告に反映することが当面の課題である。さしあたり、2013年9月にフランス・トゥールーズで開催される国際法社会学会(Research Committee on Sociology of Law, ISA)での報告を予定している。 第3に、本年度も昨年度と同様、時間的制約から、日本の「住宅政策」の資料収集が十分にできなかった。公営住宅法の制度の変遷については検討を加えたが、その実態について十分に調査することができなかった。次年度はこれらを中心として日本の「住宅政策」に関する実態解明に向けて努力することにしたい。 第4に、次年度は米国の「住宅政策」についても検討を加えてゆく。具体的には、①HUD(住宅・都市開発省)による「Section 8 Program」と呼ばれる低所得者向けの家賃補助制度について、その運用実態を資料収集等により調査する。同時に、公営住宅に代わって低所得者向けのアフォーダブル住宅を供給している「コミュニティ開発法人(Community Development Corporation)」の活動についても、検討を加える。
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次年度の研究費の使用計画 |
上述の通り、本年度の「収支状況報告書」の「次年度使用額」の合計として40,172円があるのは、山谷の日雇労働者に関する資料収集等に充てるべき費用が本年度は十分ではなく、次年度に購入することとしたためである。次年度の研究費(直接経費)としては、当初予定の1,000,000円に「次年度使用額」である40,172円を加えた1,040,172円の支出を予定している。 以下、費目ごとに直接経費の使用計画を説明する。 ①「設備備品費」については、データ処理及び論文執筆等のために、デスクトップ・パソコン(SONY VAIO Lシリーズ SVL24139CJB)を購入する予定である(200,000円)。これは本研究の基礎となる設備備品である。 ②「消耗品」については、ホームレス関係図書・資料、住宅政策図書・資料、英米法関係図書、CD等記録媒体の購入を予定している(440,172円)。これらは年々、新たな書籍・資料が刊行されており、本研究が法政策実務を対象とするため、最新のデータや研究にアクセスし、情報をアップデートすることが必要である。 ③「旅費」のうち「国内旅費」については、東京都台東区(山谷地区)及び大阪市西成区への調査旅費を計上している(50,000円)。他方、「外国旅費」については、国際法社会学会トゥールーズ大会(2013年9月)への参加旅費を計上している(計250,000円)。 ④「謝金」については、専門知識の提供及び資料整理を計上している(100,000円)。具体的には、前者は居住・住宅関係に関する日本及び米国の研究者、支援団体、弁護士等に対する謝金となる。後者の資料整理とは、調査結果の資料整理アルバイトへの謝金である。
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