研究課題
基盤研究(C)
古典期ローマ法では、一般責任財産観念が未発達なため、債権者が債務者にその包括財産の質入(非占有質)を約束させることがあった。債権者による占有取得に至るまでは債務者は全面的に有効な処分権限を持ち続け、債権者は善意の第三取得者に対して取戻請求はできなかった。包括約定質、さらにそこから展開した黙示質ないし、法定質は、ユースティーニアーヌス帝法でも拡大されている。ユ帝法の妻(被後見人)の夫(あるいは後見人)の財産に対する法定抵当を継受した西欧法が、取引に対する脅威としてその弊害に苦しんだのは、非占有質成立時から第三者追及効を有するとローマ法文を解釈・規律した結果生じたものである。
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Europäische Rechtstradition in Ostasien und Russland (Rheihe : Käte–Hanburger–Kollegs„Recht als Kultur") Klostermann
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