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2012 年度 実施状況報告書

東南アジアのイスラーム裁判制度:法曹の役割を中心に

研究課題

研究課題/領域番号 23530025
研究機関独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所

研究代表者

今泉 慎也  独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, その他部局等, その他 (80450485)

キーワードイスラーム裁判所
研究概要

マレーシア(サバ州)、ブルネイ、シンガポールの3カ国のイスラーム裁判所について現地調査を実施し、資料収集と関係機関のインタビュー調査を行った。
マレーシアではイスラーム裁判所は州の制度となっている。サバ州を含む東マレーシア(ボルネオ島北部)は西マレーシア(マレー半島部)と比べるとイスラーム人口が少ないが、各州はイスラーム裁判所が設置されている。州のイスラーム裁判所では裁判官にインタビューすることができ、実際の裁判の進め方の実態について説明を受けたほか、裁判官となった経緯、裁判官としてどのような見方で裁判に臨んでいるかといった点についても話を伺うことができた。
ブルネイはイスラーム裁判所と司法裁判所はそれぞれ独立しているが、司法部門を統括する組織のもとに統合されつつある。シャリーア弁護士の登録制度などの状況も知ることができた。国王によって刑事管轄権を拡大する方針が出されており、それに向けた制度設計をめぐる議論が現在進められている。
シンガポールは中国系が多数を占める国であるが、マレー人や南アジア系のイスラーム教徒のためイスラーム裁判所を設置している。シンガポールは調停など友好的な解決を指向する代替的紛争処理制度(ADR)の整備で進んでいる。イスラーム裁判所も先進的な調停制度などを整備しており、他のイスラーム裁判所にとって一つのモデルを提供となり得ると感じた。シンガポールのイスラーム判例集を入手することができたのも大きな成果であった。
6月の社会体制と法研究会ではタイのイスラーム裁判制度について報告を行い、コメントを得ることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

マレーシア、ブルネイ、シンガポールの3カ国の現地調査によって各国のイスラーム裁判所の実態の把握や裁判官へのインタビューを行い、文献調査だけではならない各国の実情を知ることができ、2012年度は本事業は大きく進展した。しかしながら、震災後の2011年度の作業の遅れがまだ影響しており、現地調査の実施が遅れている。

今後の研究の推進方策

タイ・マレーシアに力点をおきつつ、他の地域についての調査を進める。具体的には次の現地調査を実施する。①タイ南部およびマレーシア(裁判官へのインタビューに力点)、②インドネシアの調査(基礎調査)、③フィリピン(イスラーム司法試験制度の調査)

次年度の研究費の使用計画

①現地調査(上述の通り、3つの現地調査を実施する)、②資料購入(関連資料の収集を進める)、③資料集印刷費(最終年度のため中間的成果として資料集を作成する)

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] タイのイスラーム裁判制度

    • 著者名/発表者名
      今泉慎也
    • 学会等名
      社会体制と法研究会
    • 発表場所
      立命館大学

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公開日: 2014-07-24  

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