研究課題
2013年度においては、2013年2月に公刊した『国の不法行為責任と公権力の概念史』(弘文堂)をふまえて、当該研究において残された課題と行政争訟制度史の検討に進んだ。前者については、第二次世界大戦後の日本国憲法17条・29条3項・40条および国家賠償法の制定過程に関する研究をおこなった。その一部を加えて、アメリカ合衆国・ボストンで開催された “Law and Society Association”2013年国際学会で報告を行った(後掲の学会報告“Modern States, Citizenship, and the Nation: Historical Development of the State Redress System in Japan”)。後者については、日本の行政裁判制度史・行政事件訴訟法制定史、行政事件処理の視点からの法曹養成制度史、および、現在におけるそれらの問題点の現れを分析した。その成果が、論文「基地騒音の差止請求と改正行政事件訴訟法」、台湾考試院主催の国際シンポジウムでの報告「日本における法曹養成制度・司法試験制度の改革――歴史的背景・成果・展望――」、第9回日中公法学シンポジウムでの報告「日本における行政訴訟制度改革の歴史的背景」である。一方、19世紀後半におけるオーストリアおよびフランスでの行政訴訟制度形成史との比較研究、行政裁判所判例の比較法的分析を予定していたが、十分に進めることはできなかった。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)
早稲田法学
巻: 88巻3号 ページ: 1-65
Koch/Koenig (eds.), Climate Change and Environmental Hazards Related to Shipping, Brill, 2013
巻: 1 ページ: 1