国際的な経済活動の起点を構成するのが、当事者が合意によって構成する取引である。当事者による合意がなければ、財の交換による望ましい配分も進展せず、効率的な生産活動も開始しない。合意は当事者双方の自由意思(納得)に基づくため、取引活動を活性化するにはその納得を導くための道具が必要となる。その最も基本的ツールが「市場」の形成である。市場は、一旦購入したものが不要となった場合には、それを売却して市場価格相当の金額を回収できるという一定の「安心感」の確保をも意味する。それが健全な市場の維持がビジネス活性化の生命線となりうる理由であり、市場健全化における強硬な公法的介入を正当化する根拠と考えられる。
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