国際法および国際法学のもろもろの哲学的基盤のうち、とりわけ国際立憲主義を中軸として理論的研究を進め、基盤は概ね造成することができた。そもそもは、実定国際法のさまざまな準則がどのような哲学的・思想的背景をもって成立しているかの探求から始まったが、研究を進めるうちに国際法と国際秩序の関係性へと議論を深めることになった。同時にその過程で、国際立憲主義の可能性と限界についても考究を深め、それを歴史的な視点から洗い直すことが不可欠であるとの結論に達した。国際法の歴史的展開に関する理解を再構成するこの研究課題は、平成26年度からの新助成事業(「時際法と国際立憲主義」)へとつなげられている。
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