グローバルなテロとの戦争、ISなどの強大な「非国家」主体の勃興をうけて、国際社会がNIAC概念を再定義せざるを得なくなった事情を確認しつつ、次のような見解を得ることができた。第1に再定義されたNIAC概念が新しい事情に「より適合的」な紛争被害者保護の枠組みを提供しうること。第2に、同時に人権保障や正義の実現と行った多面的検討によれば、そうした再定義されたNIACが必ずしもすべての戦争被害者の保護を増進するわけではないこと。第3に、とはいうものの、現在の国際法体系下ではNIAC概念を拡張することによって保護の枠組みを構築するよりほかに現実的なアプローチが見いだせないこと、である。
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