本研究では、労働法の適用対象者である「労働者」の判断基準を明らかにするために、(ア)労働者概念の統一(単一)性又は相対性、(イ)雇用契約と労働契約の異同、(ウ)労働者と自営業者との間の中間概念の要否、(エ)法解釈方法論に基づく労働者概念の検討及び(オ)社会保険法・税法等の隣接する法分野における労働者概念、について、主にドイツ法との比較法研究を行った。本研究期間において、これらすべての点について、十分な検討を行い、試論を完成するまでには至らなかったが、いくつかの論文を公表することができた。さらに、本研究では、労働契約における様々な論点について、EU法・ドイツ法の最新の動向を研究した。
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