量刑事情のあり方に関する裁判員裁判の判決書の分析、実務家へのインタビュー、比較法研究、論文資料等の理論的検討により多角的に分析した。 その結果、現在の実務では量刑においても裁判員を拘束する法解釈の局面があることが承認されつつあり、いわば量刑事情の「法化」ともいうべき現象が進行していることが明らかになった。その方向性は量刑に正当性を付与するもので望ましいと思われる。しかしなお、個別の量刑事情について評価の方向性が固まっていないものがあり、そのことが裁判員裁判において被告人自身の個別事情の適切な評価を妨げている可能性がある。そこで少年事件などを取り上げて、検討の方向性を明示した。
|