複数国間の国際協力に関して、一国の刑事司法当局が外国において一定の行為を行ったり、外国に一定の行為を求める場合に生じる法的問題を多面的に考察すると同時に、国境を越えて行われる犯罪等に対する対策を考えるための理論枠組を検討した。また、国境のないインターネット上の犯罪や犯罪捜査の問題についても検討した。 超国家的な刑事司法に関して、とくに国際刑事裁判所の判例や関連学説を検討した。同裁判所においては、大陸法系と英米法系の考え方が衝突する場面が少なくないが、このような議論状況は戦後日本の刑事法学の議論状況と似ていることから、具体的にいかなる論点についていかなる形でこれを応用できるかを確認した。
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