研究課題/領域番号 |
23530090
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大村 敦志 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (30152250)
|
キーワード | 法教育 / 公民教育 / 穂積重遠 / 規範学 |
研究概要 |
本年度は昨年度の歴史研究を続行し、法教育の先駆者である穂積重遠に関する研究をひとまずまとめるに至った。その成果として、前年度に刊行した『われらの法―穂積重遠法教育著作集(第1集―第3集)』に加えて、資料『終戦戦後日記(1945-50年)―大正一法学者の晩年』(有斐閣、2012)、評伝『穂積重遠―社会教育と社会事業とを両翼として』(ミネルヴァ書房、2013)を刊行することができた。これらによって、日本の法教育の歴史的淵源を明らかにするとともに、これを当時の法学史的・社会史的文脈の中に位置づけることができた。 また、穂積重遠の足跡をたどる海外調査とあわせて実施した法教育の現状に関する海外調査によって、比較研究も行うことができた。あわせて、研究対象国(中国・韓国・アメリカ・フランス・フィンランド)の関連文献の収集も行った。ただし、この点に関する成果のとりまとめには至らなかった。 さらに、現状研究にも着手し、近年の法教育の展開を、担い手ごと(教育学者・法律家・官庁・学校教育・法学者・その他)に検討する作業を進めている。その一環として、立教大学・山口敬介准教授とともに、「法科大学院における『法教育』への取組み―東京大学の例から出発して」(法律のひろば、2012年10月号)を刊行した。 残る理論研究に関しては、法と道徳、規範学に関する内外の文献を収集しているが、いまだ準備の段階にあり、研究に着手するには至っていない。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
法教育の歴史研究としての穂積重遠研究は完成をみた。現状研究についても調査は順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
現状研究を進めるとともに、他の研究プロジェクトとして遂行している比較研究の成果も取り込んで、最終的な理論研究に集約することを目指す。
|
次年度の研究費の使用計画 |
これまでに収集した資料の整理にあてるとともに、現状や歴史に関する資料(およびそれらの理解のために必要な外国資料)の収集費用にあてる。また、国内外での追加調査の旅費等も必要となる。
|