オーストリアの法学者であるヴァルター・ヴィルブルクは、「動的体系論」という方法論を初めて提唱した。動的体系論によると、法ルールは、従来の立法とは異なり、そのルールが適用される個別事例の解決のために意味のあるすべての要素(ファクター・原理)に明示的に言及することになる。この動的体系論は、オーストリア損害賠償法の改正作業において、歴史上初めて、立法に大々的に投入されようとしている。しかし、この立法スタイルに対しては、それがかなり高度の法的不安定性をもたらすという理由で、批判が巻き起こった。本研究では、動的体系論を日本の立法において採用すべきか否かについて検討した。
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