研究課題/領域番号 |
23530123
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
須川 賢洋 新潟大学, 人文社会・教育科学系, 助教 (40282967)
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キーワード | デジタル・フォレンジック / eディスカバリー / 電子証拠 / 証拠補保全 / 知的財産 / ISO/IEC27050 |
研究概要 |
研究三年目は、発展・応用研究を行った。 今期は、処事例の調査や実際に起きた事件や判例等をもとに考察することを主に行っている。また、この1.2年で問題が大きく表面化した、日本の主要機関を狙った標的型攻撃の手法についての教示を受け、その対策としてのネットワークの防御面でのデジタル・フォレンジックについても調査を行っている。 海外事例を調べるため、香港大学のデジタル・フォレンジックチームを訪問し、調査や意見交換を行った。 さらに「3Dプリンタ」に関する将来の発展的研究を行うための予備調査的な研究発表を、平成26年2月21日の情報処理学会「第63回電子化知的財産・社会基盤研究会(EIP)」にて発表および論文掲載を行っているが、その最後でこの分野におけるデジタル・フォレンジックの活用可能性についても触れている。 また、申請者が参加している「デジタル・フォレンジック研究会」にて『証拠保全ガイドライン』の改訂を共同で行い、『証拠保全ガイドライン(第3版)』として平成25年9月に公開した。平成26年度中には、第4版へ改訂する予定である。さらに平成26年4月には『(改訂版)デジタル・フォレンジック事典』が日科技連から出版される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は三年間、つまり平成25年度にて完了する予定の研究であったが、一年間の延長を認めてもらった。 理由は、主要な研究対象の一つである国際規格「ISO/IEC:27050」(eディスカバリー)のワーキングドラフトの公開が予定よりも遅れ、平成25年度の終了間際にようやくファースト・ドキメントが公開されたことによる。よって、この規格に関する調査・研究がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
前述のとおり、新しいトピックスや問題に関する調査・研究に重点を置く。つまりは、今後、国際統一規格として認定されるであろう、「ISO/IEC:27050」(eディスカバリー)の調査。 さらには、サイバー空間において日本を狙った標的型攻撃の新たな手法に対処するために、デジタル・フォレンジックをどのように有効活用していくべきかについてなどを考察する。
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次年度の研究費の使用計画 |
デジタル・フォレンジックの国際規格であるISO/IEC:27050のワーキングドラフトが国際標準化機構より公表されるのが、当初予定より大幅に遅れたため、それに伴う領域の調査・研究がまだ十分に行えていないため。 主に、デジタル・フォレンジックの最新事情、特に国際事情に詳しい専門家への調査と資料収集の為の経費とする予定である。
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