本研究の目的は知的財産法を競争政策との関連で分析・検討するというものである。具体的なテーマとして、①知的財産権ライセンス時における独禁法上の問題、②知的財産の流通、③権利濫用や公序良俗理論と競争政策の関係、という3つを設定した。 テーマ①に関しては、著作権の権利処理機関を競争政策の観点から分析した。また、公取委の最近の相談事例を分析した。テーマ②に関しては、電子書籍市場を素材に、著作権法を競争政策の観点から分析した。テーマ③に関しては、標準必須特許の権利行使を制限する手法として、権利濫用理論と競争法違反の両面から検討を行った。現在、本研究の総合的・最終的成果として論文を準備中である。
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