わが国では、2013年には行政手続き番号法が、2015年には改正個人情報保護法、改正不正競争防止法が成立し、2016年に個人情報保護委員会が新設された。 2016年度は最終年として、本研究テーマの中でも特に重要な「匿名加工情報」、「第三国への個人データ移転禁止条項における例外対応」そして「データ保護の十分制認定」を中心に研究を行った。 具体的には、2016年10月15日~23日にモロッコのマラケシュで開催されたthe 38th International Data Protection and Privacy Commissioners Conference (ICDPPC)に参加し、各国のデータ保護機関の関係者や研究者と議論を行った。U.S Department of CommerceによるEU-U.S. Privacy Shieldについてのworkshopでの議論や、NYMITYによるEU一般データ保護規則(General Data Protection Regulation : GDPR)への新たなコンプライアンス提案など、わが国への有益な示唆があった。また同年6月19日には日本経営倫理学会研究発表大会で「ビッグデータとしての個人情報の利用と保護に関する課題と提言ー個人情報保護委員会が担う役割を中心としてー」をテーマに研究報告を行い、また同年7月15日には日経ホールで関西大学130周年記念シンポジウムで「サイバーセキュリティの最新動向と対策」をテーマに、パネルチェアとして議論を行った。またこの期間に論文・論考を2本公表した。さらに企業や弁護士の勉強会など、18の講演に招聘され、研究成果の普及に努めた。
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