研究課題/領域番号 |
23530133
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
諏訪野 大 近畿大学, 法学部, 教授 (60368280)
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キーワード | テレビ番組フォーマット権 / 知的財産 / 放送 / 契約 / 不法行為 |
研究概要 |
平成25年度の目標は、研究実施計画に記載してあるとおり、テレビ番組フォーマット権を取り巻く実情の把握を継続しながらも、さらに法的考察のウエイトを増やして、両者の割合を50:50にしていき、研究ノート等、これまでの調査結果や研究経過の公表を行える状態にもっていくことにあった。これらの目標を達成するために、下記の活動を行った。 テレビ番組フォーマット権を取り巻く実情の把握の継続に関しては、MIPやALAIに参加し、最新の状況について調査・情報収集を行った。とくに、テレビ番組フォーマット権の取引きにおいて、世界最大の会社であるFremantleMedia社の担当者とのコンタクトに成功したことにより、研究内容の大きな進展・充実が図られた。テレビ番組フォーマット権に関する論文や文献をはじめ、多くの情報を入手することができた。 また、法的考察のウエイトを増やし、これまでの調査結果や研究経過の公表を行える状態にもっていくという今年度のもう一つの目標に関しては、上記のMIP参加等によって得られた成果に、これまでの研究成果をも加え、平成25年11月30日、青山学院大学青山キャンパスで開催された日本知財学会第11回年次学術研究発表会において「テレビ番組フォーマットの動向」というタイトルで研究報告を行った。同報告では、1970年代からテレビ番組フォーマットに対する定義が始まるものの、「著作物ではない」などと消極的な方法でしかなされなかったが、近年、世界的に著名な放送局である英国・BBCが公表した“TELEVISION SCRIPT AGREEMENT”中に積極的な定義がなされ、その検討を行うとともに、我が国における不法行為法の理論での位置づけを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記、9.研究実績の概要において既述したとおり、今年度の目標を達成するべく、研究活動を前進させており、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
研究実施計画に記載してあるとおり、来年度の目標は、テレビ番組フォーマット権を取り巻く実情の把握を継続することは変わらず重要であるが、法的考察のウエイトを増やしていくことにある。 その意味で、引き続き、MIP等へ参加し、テレビ番組フォーマット権に関する最新の状況を調査し、これまでの結果と照合して、大きな方向性に変更がないかなど、随時、軌道修正を柔軟に行う。 法的考察については、学会での研究報告や論文執筆を機会を捉えて積極的に行っていく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
順調に計画が進み、2013年内には今年度分の直接経費を使い切ったが、2014年2月17日に利息16円が発生したことによる。 来年度の直接経費とともに、研究計画に基づき、出張旅費や研究資料の購入等にあてる。
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