本研究は、日本の大都市制度について研究を行った。通常、政治学は政治的回路を通じた補助金政治が中心であったため、どうしても農村部に焦点が当たり、大都市への関心は高くなかった。そこで、日本の大都市制度の代表である政令指定都市制度の現状を理解するべく、政令指定都市の成立経緯や制度を担う主体を明らかにした。また、現在直面している課題を、社会経済的、税財政的、政策遺産的、区行政的の4つにわけて、どこまでが制度固有の問題なのかを示した。その上で、英国やフランスの大都市制度改革をもとに改革案の両極を示し、現在日本で議論されている都構想や特別自治市構想を位置づけ、改革の際の論点を明らかにした。
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