日本のキャリア官僚は、省庁によって、専門性が低い場合もあれば、昇進しながら同様の部局を多く経験して職務を通じて一定の専門性を獲得する場合もある。一方、ノンキャリアは、必要な専門知識や技術を、実務を通して職場の先輩から教えられることが多く、研修機関では、専門分野に必要な基礎学力を向上させたり、全寮制で生活をともにすることで集団性を身につけたりしている。このため、アメリカやドイツと異なり、専門性が、統一されないまま職場の第一線の職員に委ねられているため、日本官僚制では、上司による部下の統率が人事統制に偏りがちになるといった特徴が生じると考えられる。
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