現代社会における連帯や向社会的行動(pro-social)といった互恵的利他行為を抑制する社会的ジレンマの克服について、日本、中国のコミュニティをフィールドに、ソーシャル・キャピタルの観点から実証的に分析し、人々の紐帯や信頼、互酬性の規範などの行動規範が制度や文化とどう関わっているのかについて明らかにする。実証的な国際比較研究により、共助(共同性)が育まれるための社会的条件について構造的な考察を行った。近代社会の都市化におけるコミュニティ変容や、自治を活用した向社会性行動を誘導するための公共政策的介入方法について、国家レジームの違いを超えたローカル・ガバナンスへの関心の高まりが見られる。
|