研究課題/領域番号 |
23530149
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
秋吉 貴雄 熊本大学, 社会文化科学研究科, 教授 (50332862)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 教訓導出 / 政策移転 / 公共政策 / 政治学 |
研究概要 |
研究初年度である平成23年度は、教訓導出を含んだ政策学習論全体の理論研究と事例の予備調査を行った。 政策学習の理論研究に関しては、政治的学習、社会的学習、政策志向学習、教訓導出、政府学習といった従来の政策学習の支配的概念に関して、ベネットらの研究をもとに整理した。そして、それを踏まえた上で、政策学習概念の再構築に向けて、大きく、(1)アクターの構造、(2)学習メカニズム、(3)政策選択へのプロセス、という点から90年代以降の研究のサーベイを行った。 まず、アクターの構造に関しては、認識共同体に関する研究やポスト実証主義的政策分析に関する研究等も参照しながら、(1)アクターの範囲、(2)アクター間の相互作用、について検討を行った。次に、学習メカニズムに関しては、政策決定における専門知に関する研究等も参照しながら、(1)学習の対象(知識の範囲・知識の性質)、(2)学習のプロセス(学習の契機・学習の規則性)、について検討を行った。そして、政策選択へのプロセスに関しては、新制度論に関する研究等も参照しながら、(1)知識のキャリア、(2)制度による制約、(3)政策変化のプロセス、について検討を行った。 これらの理論研究に関しては、「政策学習論の再構築に向けて」という論文にまとめ、紀要『熊本大学社会文化研究』に投稿し、掲載された。 また、上述の理論研究をもとに、個別事例研究及び比較研究の分析フレームワークを構築し、事例研究の対象事例に関して資料収集を予備的に行っていった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成23年度に予定した教訓導出に関する理論研究と事例の予備調査を行い、理論研究に関しては研究成果を公表できたため、「おおむね順調に進展している」と判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
平成23年度においては事例の予備調査が若干遅れたため、それを速やかに行った後、政策移転に関する個別事例研究を行っていく。
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次年度の研究費の使用計画 |
事例の予備調査と理論研究をもとに分析フレームワークを構築し、政策移転に関する個別事例研究について、政府資料や関係者へのヒアリング等をもとに分析を行っていく。
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