研究課題/領域番号 |
23530150
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研究機関 | 高崎経済大学 |
研究代表者 |
佐藤 徹 高崎経済大学, 地域政策学部, 教授 (50363776)
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キーワード | 政策の優先順位 / 自治体 / 総合計画 / 行政評価 / 予算編成 / 施策評価 |
研究概要 |
平成24年度の目標は、「政策の優先順位づけ」システム導入自治体のマクロ分析を行うことである。 まず、行政経営に関する最新の実態を把握するために、2009年に実施した『自治体の総合計画・行政評価・予算編成に関する実態調査』(全国の市・東京都特別区806団体が対象)を参考にしながら、新たに『総合計画と行政経営に関する全国自治体調査』(A票)、『行政経営と行政経営に関する全国自治体調査』(B票)、『予算編成と行政経営に関する全国自治体調査』(C票)の3種の調査票を作成し、全国の市及び東京都特別区810団体を対象とする質問紙調査を行った。ここでは特に、総合計画・行政評価・予算編成システムの概要、総合計画と行政評価の関係、総合計画と予算編成の関係、行政評価と予算編成の関係などを主眼にその実態を構造的には把握することにつとめた。 つぎに、「行政評価と行政経営に関する全国自治体調査」(B票)で、施策評価において事業間の「優先順位づけ」又は「優先度づけ」を実施していると回答した自治体に対して、『施策評価での優先順位づけ・優先度づけに関する全国自治体調査』(質問紙による調査)を実施した。ここでは、優先順位づけ・優先度づけシステムの概要、優先順位づけ・優先度づけに係る行政組織内部の協議・調整、予算編成・総合計画等への活用、優先順位づけ・優先度づけのプロセスにおける諸アクターの影響力などについて尋ねた。 さらに、より詳細な実態を把握するために、自治体政策経営研究会を開催し、行政評価や優先順位づけを担当している自治体職員をゲストスピーカーとして招聘した上で、首都圏を中心とした多くの自治体職員と本テーマについて議論・検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調に進展していると考えられるが、2回にわたる大規模の全国自治体調査に関するデータについて、より詳細な分析を行う必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
平成24年度に得られた結果を基に、「政策の優先順位づけ」システム導入自治体のミクロ分析を行う。 『施策評価での優先順位づけ・優先度づけに関する全国自治体調査』から事例研究にふさわしい自治体数団体を選定する。選定にあたっては、①団体の属性、②首長のリーダーシップの程度、③システム(総合計画・行政評価・予算編成)の態様、④地理的条件、⑤行政の理解や協力などを考慮する。各自治体の具体的な施策・事業を取り上げ、企画部門・財政部門・施策担当部門等への詳細なアンケート調査やインタビュー調査を行う。 なお、分析のための施策(事業を含む)は、自治体どうしの比較が可能なように、各自治体の総合計画書の内容を吟味し、異なる政策領域(保健・福祉、環境保全、教育・文化、都市・産業など)から共通の施策を1つずつ(計4つ程度)を選定する。 「政策の優先順位づけ」に至る意思決定過程とその後の予算編成に至る過程のそれぞれの段階で、価値基準を異にする各主体の間で決定調整のためにどのようなコミュニケーションが行われ、各主体がいかなる役割を果たしているか等について分析する。
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次年度の研究費の使用計画 |
事例研究のための自治体インタビュー調査やアンケート調査に伴う旅費、研究補助員への謝金(インタビュー調査補助、アンケート調査補助、調査データ入力整理、研究成果公表のためのウェブページへの掲載・更新等)などが主な研究費の使用用途である。
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